水素製造装置の価格は、研究室向けの卓上機から工場で常時数トンを生産する大型オンサイト設備まで、規模によって桁違いに開きます。ここでは、水素製造装置の価格の違いや、水電解法ごとの違いを解説します。
水素製造装置の価格は、装置が扱えるガス流量や据付け方法によって異なります。たとえば、研究用途で分析機器と組み合わせて使われる卓上タイプ(数L/min程度)では、電源と純水のみで運転できるPEM水素製造装置が海外で約36万~180万円(税不明)※1で販売されています。
一方、産業用では大きな水素供給量を必要とするケースが多く、水電解装置の価格は出力や構成、自動化レベルによって大きく変動。IEA(国際エネルギー機関)によると、PEM水電解装置のCAPEXは1kWあたり約2,000~2,450米ドル(税不明)※2とされており、コンテナ化された5MW規模の装置においては、7~8億円相当の価格例※2があります。
このように、水素製造装置の価格は装置の仕様だけでなく、使用目的や導入スケールに強く影響されます。当メディアでは、用途に応じた水素製造装置の選び方や導入例を紹介していますので、装置選定の参考にぜひご活用ください。
PEM水電解(固体高分子膜型)は、電流密度が高く、始動停止が速いため、再エネ電源の変動に追従しやすい装置です。高純度の水素を製造できるほか、応答性にも優れており、研究開発や分散型導入に適しています。
一般的に、初期費用はアルカリ方式に比べて高めですが、部分負荷での安定運転や起動・停止の自由度、コンパクト設計による設置性の良さが運用上のメリットです。また、自己昇圧機能によって圧縮機の負荷を抑えられる場合もあり、装置の機能や構成によってランニングコストを削減できるケースもあります。
アルカリ水電解は、電解液に水酸化カリウム(KOH)を用いたシンプルな構造であることから、初期導入コストは比較的安価です。
また、装置のスケールが大きくなるほど、電解槽や補機、電源設備の共通化が進み、製造コストだけでなく運転コスト(電力効率やメンテナンス費用)においてもコストパフォーマンスが向上。このため、大量の水素を安定的かつ低コストで供給したい用途に適しています。
天然ガスや石油などに含まれる炭化水素を水蒸気と反応させて水素を取り出す方法のことで、代表的なのがメタンの水蒸気改質(SMR)。電解水素と比べて装置構成が複雑になり、バーナー・触媒管・排熱回収器など高温部材が初期費用を押し上げるケースが多いです。
一方で、燃料価格が安価な地域では、運転コストの面で水電解よりも優位になる場合もあります。
水素を電気・
熱エネルギー供給に使いたい
小売電気・再エネ発電・
地域熱供給事業者向け
水素を燃料として
使いたい
自動車メーカー・
水素モビリティ事業者向け
水素を洗浄工程で
使いたい
半導体・
精密部品メーカー向け