高砂熱学は、空調エンジニアリングで培ったノウハウを応用し、水電解式水素製造装置「Hydro Creator®」を開発・提供しています。ここでは、高砂熱学の水素製造装置の特徴や導入事例について解説します。

Hydro Creator®はPEM(固体高分子形)水電解方式を採用しており、再生可能エネルギー由来の出力変動に即応できる高い負荷追従性を備えています。
変動が激しい太陽光や風力の電力を直接受け止めて水素を製造できるため、発電出力を抑制することなく余剰電力をエネルギーとして貯蔵し、系統バランスを保ちながら脱炭素化を後押しします。
このPEMセルは燃料電池との一体型セル開発で蓄積した知見を活かして新たに設計されており、従来比で5~15ポイントの効率向上を実現しました。
水電解プロセスで発生する水蒸気を回収・再利用する独自技術を開発し、システム全体の熱・水バランスを効率化しています。この水分回収により装置効率は従来機比で10~20ポイント改善し、運転コストと補給水の双方を低減します。
電解セルへのストレス要因となる電力ゆらぎを平滑化する高度制御アルゴリズムを組み込むことで、膜劣化を抑え、長期安定運転が可能です。
高温多湿や低温環境など多様な気候条件での実証結果からも、耐久性と信頼性の高さが確認されています。

| 発生方式 | 水電解(PEM型/固体高分子膜型) |
|---|---|
| 水素純度(%) | 99.999%以上(常圧換算、ドライベース) |
| 水素発生量(Nm³) | ~5Nm³/h |
| 設置場所 | 公式HPに記載なし |
| 供給形態 | オンサイト型 |
| 運転圧力 | 0.9MPaG |
| 設置スペース | 2.6m × 0.9m × 1.5m(H) |
| 自動運転 | 公式HPに記載なし |
高砂熱学工業の水電解装置は、空調エンジニアリングで培われた高度な熱マネジメント技術により、現場の既存設備との「熱統合」という独自の付加価値を提供します。
① 技術・保守面:スタック劣化を抑える独自制御と高い耐久性(現場メリット)
再エネの出力変動に伴うスタックの性能劣化を低減する独自の制御技術を搭載しており、装置寿命を延ばすことで、将来のスタック再積層(リスタック)にかかる高額なメンテナンス費用を最小化します。現場の担当者にとって、長期間にわたり性能を維持できる安定性は、運用管理上の大きな安心材料となります。
② 環境・経営面:ボイラ燃料の水素転換と年間464tのGHG削減(経営メリット)
2026年6月より、キリンビール北海道千歳工場においてボイラ用燃料の一部をグリーン水素由来の蒸気に切り替える実証事業を開始。 既存の熱需要を水素へ置き換えることで、年間約464トンのGHG排出量削減という具体的な経営成果(Scope1削減)をもたらします。 設計から施工・アフターサービスまで自社一貫で行うエンジニアリング体制は、全社的なカーボンニュートラル戦略を確実に完遂させたい経営層にとってリスクの少ないパートナー選びとなります。
オンサイトでのグリーン水素供給を核に、工業プロセスの燃料転換、再エネ由来の長期エネルギー貯蔵、BCP対策を兼ねたマイクログリッド、さらには燃料電池車向けの補助水素ステーションなど幅広い用途で使用されています。
地方自治体では、災害時の避難所に電力と熱を供給できる自立型エネルギー拠点として活用可能で、系統停電時でも燃料補給なしで72時間以上の電力・熱供給を維持できます。

北海道石狩市厚田地区では、再生可能エネルギーと水素を活用した「防災機能付きマイクログリッド」が導入されました。太陽光発電(163kW)を主電源とし、5つの公共施設に電力を供給しています。
蓄電池(50kW/168kWh)と水素製造装置・燃料電池を備えた水素システムを併設し、再エネ電力を効率的に活用。災害時には自動で自立運転に切り替わり、指定避難所へ72時間以上電力を供給できます。直流接続によって変換ロスも抑制しています。環境配慮と防災力の両立が評価されました。
高砂熱学が提案した温水利用モデルが、東京都の「グリーン水素製造・利用の実機実装等支援事業」のモデルプランに採択されました。
本モデルは、太陽光発電などの再生可能エネルギーから水素を製造し、温水発生器で暖房熱源として利用するシステムで、設置面積50㎡以下と都内の限られたスペースでも導入が可能です。
大型事務所ビルの機械室などへの設置が想定され、グリーン水素の製造から利用までを一体化した構成となっています。
高砂熱学ら6社は、キリンビール北海道千歳工場で化石燃料の一部をグリーン水素へ転換する実証を開始。2025年4月着工、2026年6月稼働予定・実証10年(2025年2月7日発表)。
北海道千歳市で、キリンビール・三菱商事・MCKBエネルギーサービス・高砂熱学工業・三浦工業、三菱商事×高砂熱学のSPC「合同会社MTグリーンエネルギー」が参画。
再エネ由来水素で蒸気ボイラを運転し、熱需要の最大約23%を水素で代替。年間約464tのGHG削減効果や運用課題を検証することが主な目的でした。
再エネ導入比率を高めつつ工場や施設のバッファ電源を確保したい製造業におすすめです。
他にも地域マイクログリッドを構築する自治体・電力小売、非常用発電をグリーン化したい病院・データセンター、研究開発で高純度水素を常時必要とする大学・試験機関などにも適しています。
水電解(PEM型/固体高分子膜型)ならではの高速起動と高純度、そしてコンパクト設計により、再エネ変動追従と省スペースの両課題を抱える事業者に適しています。
こうした要件に応える装置を選ぶには、水素の活用目的に合った方式・性能の見極めが重要です。当サイトでは、用途別におすすめの水素発生装置を紹介しているので、装置選びの参考にご活用ください。
空調設備工事を原点に100年以上にわたり環境・エネルギー技術を磨いてきた企業です。近年はカーボンニュートラル事業開発部を新設し、水素製造・貯蔵・利用を核とした新エネルギー事業に注力しています。月面探査での水電解ミッションに挑戦するなど、宇宙環境下での水素製造研究も推進しています。
| 本社所在地 | 東京都新宿区新宿6-27-30 |
|---|---|
| 電話番号 | 03-6369-8212(代表) |
| 公式URL | https://www.tte-net.com/ |
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