水素発生装置の導入を検討する際、「自社工場に設置できるのか」「大掛かりな工事が必要なのか」といった設置条件が気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、水電解方式の水素発生装置を対象に、設置時に確認したいポイントを解説します。
近年の水素発生装置は、電解セルや制御機器、水処理設備などをユニット化したパッケージ製品が増えています。そのため、用途によっては既存工場内の空きスペースを活用して導入できる場合があります。
従来のように水素ボンベを搬入・保管する代わりに、使用場所の近くで水素を製造するオンサイト供給を選択する企業も増えています。特に研究施設や分析装置向け、小規模な製造用途では、比較的コンパクトな設備構成が採用されるケースもあります。
ただし、必要なスペースは装置能力や付帯設備によって異なるため、設置面積だけでなく保守点検スペースや配管経路も含めて検討することが重要です。
水素発生装置は水素を取り扱う設備であるため、設備仕様によっては高圧ガス保安法などの関連法令への対応が必要になる場合があります。設置前に法令適用の有無を確認することが重要です。
具体的には、水素の発生圧力や貯蔵量、圧縮設備の有無などの設備仕様によって、適用される法令や必要な対応が異なります。近年は、許認可や保安管理の負担軽減を目的として、高圧ガス保安法の適用範囲を考慮した設計の装置も登場していますが、適用可否は設備ごとに異なります。
法的な手続きや届出の必要性を正しく把握するためにも、設置場所の選定や設備計画の初期段階から、メーカーや設計事業者へ相談することが重要です。
法規制の確認とあわせて、可燃性ガスである水素の特性に応じた物理的な安全対策も不可欠です。万が一水素が漏えいした場合に可燃性雰囲気が形成されるおそれがある場所では、防爆仕様の電気機器の採用や、静電気などの着火源対策が必要になる場合があります。万が一水素が漏えいした場合に備え、着火源となる機器の管理や電気設備の安全対策を講じることが重要です。
同じ水電解装置であっても、設備構成や設置環境(屋内か屋外か、周囲の状況など)によって求められる安全対策は異なります。導入前にメーカーへ確認し、関係法令や設計基準に沿って安全な運用計画を進めましょう。
水素発生装置は屋内・屋外のいずれにも設置されています。屋内設置の場合は、装置の搬入経路や点検スペースに加え、換気環境を確保できるかが重要な確認項目です。また、将来的な部品交換や保守作業を考慮し、装置周辺に十分な作業スペースを設けることも求められます。
一方、屋外設置では建屋内のスペースを圧迫しないメリットがあります。反面、雨風や直射日光だけでなく、沿岸地域における塩害や寒冷地における凍結など、地域特有の環境条件を考慮する必要があります。
どちらが適しているかは工場レイアウトや水素の利用場所によって異なるため、設計段階で検討することが重要です。
水素は空気より軽く、漏えいした場合は上方へ拡散しやすい性質を持っています。しかし、可燃性ガスであることに変わりはないため、ガスが滞留しない環境づくりが重要です。
特に屋内設置では、自然換気や機械換気によって十分な換気を確保できるかを確認する必要があります。水素は天井付近に集まりやすいため、換気設備や換気口の配置についても考慮することが重要です。
また、設備によっては水素検知器や警報設備を設置し、安全性を高める場合があります。水素検知器は漏えい時にガスが集まりやすい高所や想定漏えい箇所付近に設置されることが一般的です。
必要な換気方式や安全設備は装置能力や設置環境によって異なるため、メーカーの設計基準や関係法令に沿って検討することが重要です。
水素発生装置を稼働させるためには、電源設備や給水設備などの一次側工事が必要です。水電解方式では水を原料として使用するため、安定した給水環境の確保が欠かせません。
高純度の水を必要とする装置では、純水装置や水処理設備を組み合わせて運用することもあります。また、給水だけでなく、水処理設備から発生する排水の処理経路についても事前に確認しておくことが大切です。
さらに、装置仕様に応じた電源容量の確保も必要です。既存設備を活用できるケースもありますが、工場ごとの設備状況によって必要な工事内容は異なります。
導入前に工場図面や設備情報をメーカーへ共有することで、導入可否や工事範囲を把握しやすくなります。
水素発生装置は、パッケージ化された製品の普及により、既存工場への導入に対応できるケースが増えています。しかし、必要な設置スペースや換気要件、一次側工事の内容は設備仕様や工場環境によって異なります。
また、設備によっては高圧ガス保安法をはじめとする関連法令への対応や、防爆対策、換気設備の整備などが必要になる場合もあります。法令適用の有無や必要な安全対策は設備仕様によって異なるため、導入前に十分な確認を行うことが重要です。
自社工場への導入可否を正確に判断するためには、メーカーによる事前確認やレイアウト検討が有効です。設置条件や必要工事について不安がある場合は、まずは専門メーカーへ相談し、自社環境に適した導入方法を確認してみましょう。
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